アメリカで大卒採用が激減。日本でもAIに「新卒の仕事」は奪われるのか?【1/3回】

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アメリカで大卒採用が激減。日本でもAIに「新卒の仕事」は奪われるのか?【1/3回】

2026/10/14

山本の部屋

アメリカで大卒採用が激減。日本でもAIに「新卒の仕事」は奪われるのか?【1/3回】

このコラムでは、北陸人材ネットの代表取締役社長・山本が、日々考えていることなどをお伝えします。

皆さん、こんにちは。北陸人材ネットの山本です。
以前に本コラムで、「事務職の正社員求人が全求人の3%未満まで減っている」というシビアな現実をお伝えしました。
今回はその続きとして、「AIの進化によって、アメリカのように日本の新卒・若手採用も奪われてしまうのか?」というテーマをお話しします。
長くなりそうなので、今回は全3回の連載でお届けしようと思います。

アメリカで起きている「大卒・新卒の就職氷河期」

IT先進国のアメリカでは、今まさに「新卒採用の激減」が大きなニュースになっています。

✅大卒(22〜27歳)の失業率:5.8%(全世代平均の4.2%を上回る)
✅新卒(学士号)の採用枠:前年比5.8%減少(全米大学・雇用主協会NACE調査)
✅エントリーレベル求人の減少:大手求人サイトIndeedのデータでは、ソフトウェア開発やバックオフィスなどの初心者向け求人が、コロナ前より10%〜30%低下

アメリカでは「エントリーレベル」と呼ばれる定型業務や分析、プログラミングの下書きなどをAIが代行するようになったため、新人の採用枠そのものが削られているのです。
では、日本も同じような事態になるのでしょうか?
結論から言うと、私は「アメリカと全く同じ形での暴落はすぐには起きない」と考えています。
そこには、日本の雇用慣行だけでなく、この30年で大きく変わった「日本の大学事情」という意外なデータが関係しています。

少子化なのに「大学生」が増え続けている日本

この3~40年の日本の18歳人口を見ると、1992年の約205万人をピークに、2024年には約106万人とほぼ半減しています。
ですが、日本の大学と大学生の数は真逆の動きをしています。
文部科学省のデータを紐解くと、驚くべき事実が見えてきます。

✅大学数: 1990年代前半の約500校から、現在は800校超(約1.6倍)へ増加
✅大学進学率: 1990年の約30%から、現在は過去最高(57.7%)へ上昇
✅大学生(学部生)の数: 1990年の約200万人から、現在は約263万人に増加

少子化が進んだ一方で大学が増えた結果、日本において「大卒」はエリート層ではなく、「若手労働者の約6割を占める標準的な存在」になりました。

日本で「新卒枠」がすぐに消えない理由

アメリカの企業は「その仕事(ポスト)ができる即戦力」をピンポイントで採用(ジョブ型)するため、AIにその仕事が奪われれば、翌日から求人が消えます。
一方、日本企業にとっての新卒採用は、「会社の将来を担う若い労働力を一括で確保するインフラ(メンバーシップ型)」です。
「新人は最初から仕事ができないもの(ポテンシャル採用)」という前提があるため、AIが普及したからといって、いきなり新卒採用枠をゼロにすることは構造上起きにくいのです。
「なんだ、じゃあ日本の新卒は安心なのか」と思われたかもしれません。
しかし、実は目に見えないところで、少しずつ「ある構造変化」が始まりつつあります。

次回(2/3回)は、一部の大企業で起き始めている「育成の階段の消失」という現象についてお話しします。

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