2025/09/10
山本の部屋心理的安全性と若者の定着率
このコラムでは、北陸人材ネットの代表取締役社長・山本が、日々考えていることなどをお伝えします。
若い社員が離れていく理由、実は「心理的安全性の低下」かもしれません
少し前までは一丸となって前へ進む組織だったのに、今はなぜか離職者が増え、活気もない…。そんな違和感を抱えている経営者、人事の方へ。
その背景には、もしかしたら「心理的安全性の低下」が潜んでいるかもしれません。
「心理的安全性の低下」とは
心理的安全性が高い職場は、社員が「意見を言っても責められない」「助けを求めても拒まれない」と感じられる職場です。ですが、心理的安全性が低下している職場では、本音を押し殺して離れていく社員も出やすいのです。
こんな兆候ありませんか?
● 会議で誰も発言しない
● 若手が何も言わずに辞めていく
● 若手とベテランとの間に壁がある
これは「社風が硬直しているサイン」です。給与やキャリアだけで説明できない「居心地の悪さ」が、離職に繋ってしまいます。困ったことにこの状況に陥ると若い優秀な社員ほど辞めていってしまう傾向があります。
人は誰でも多少なりとも他人からどうみられるかを気にしています。そのために本音と建て前を使い分けているのですが、心理的安全性が高い状態では、本音を素直に言い合うことができます。
「心理的安全性」を高めると…
心理的安全性が高い職場では、以下のような行動が自然に行われます。
● 「こんなこと聞いたらバカにされるかも…」と思わずに質問できる
● ミスを正直に報告できる
● 新しいアイデアや思い付きを自由に提案できる
心理的安全性は「なあなあの関係」や「甘やかし」の関係とは違います。健全な緊張感の中で、率直な対話や挑戦ができる土壌を意味します。
心理的安全性が高い状態は誰にとってもいこごちの良さを感じられる状態ですが、日本企業の中には体育会系気質(心理的安全性の低い状態でもパフォーマンスを発揮できる)の社員を優秀と捉える文化がいまだに根強く残っている会社があります。
そういう社風の企業の経営者は「心理的安全性」を高めることに対してなかなか前向きになれません。自分にも経験があるのですが創業時には24時間会社のことを考え続けているような時期があってとても大変だったのですが、ある意味その大変な状況に自己陶酔を覚える瞬間があって、社員にもそうした状態を求めてしまうようです。
一方「Z世代」と言われる若者層は感覚的に「心理的安全性」の価値を理解している人が多いようです。というのは最近のスポーツ、特にアスリートの世界では内発的動機づけを引き出し、そこからパフォーマンスを引き上げるようなやり方が普及してきており、また学びの世界で「アクティブラーニング」と言われる手法の導入が進んでいますがこれらの手法は心理的安全性が一定レベルで維持された状態であることが必須になっています。
心的安全性の価値や意味はZ世代をはじめとした若い世代ほどよりリアルに肌感をもって理解していると言えるのではないでしょうか?
ではどうすれば心理的安全性を高めることができるのでしょうか?
単なる「仲良し」や「優しさ」だけでは不十分です。信頼・尊重・率直な対話が根底にある文化を築くことが重要です。具体的には以下の内容を意識すると良いでしょう。
1. リーダーの姿勢
● リーダーが失敗や弱みをオープンにする
● 部下の意見を否定せず、まず受け止める
● 「わからない」事を「わからない」と言える空気をつくる
2. 対話と関係性の質
● 職場での雑談の時間を大事にする
● 傾聴・共感を意識したコミュニケーション
3. 仕組みと文化づくり
● 意見を出した人が報われる仕組み(表彰・反映)
● 「挑戦・わくわく」を歓迎する価値観を明文化
企業の文化や風土といわれるものを変えることは簡単ではありません。これらのことをすべて一度に行うというより、できることから一つずつ粘り強く継続していく事が有効でしょう。まずは経営TOPが率先して取り組んでみてはいかがでしょうか?
心理的安全についてまとめてみましたがいかがでしょうか?ちなみに心理的安全性について深く学ぶことも大事ですがZ世代についても正しく把握し、どうやって彼らと付き合っていけばよいのか?を考えることも大事ですよね。
ということで9月25日に金沢市主催の下記のセミナーを運営することとなりました。
ともに学び、得るものの多い機会になればと思っています。
15:00~ 金沢市・未来のまち創造館にて開催です
「Z世代との関わり方」お知らせページ