企業の存在価値から問い直した6代目社長「お客様のために、まずは社員が質の高いライフワークを!」|株式会社山岸製作所様

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企業の存在価値から問い直した6代目社長「お客様のために、まずは社員が質の高いライフワークを!」|株式会社山岸製作所様

企業の存在価値から問い直した6代目社長「お客様のために、まずは社員が質の高いライフワークを!」|株式会社山岸製作所様

職場はフリーアドレス、フルフレックス&リモートワーク活用OK・・・
「いつどこで働くかは自分が決める」スタイルの中、社員がベストなパフォーマンスを発揮できる環境を常に模索する姿には理念共感型採用や事業転換などユニークな背景がありました。
山岸社長に迫ります・・・!

<企業紹介>

昭和11年、金沢の地にものづくりの職人が集う小さな木工所として創業。
上質にこだわった木工家具製作所を経て、現在は家具の提供だけではなく、ライフ&ワークの質的価値を向上させる「モノ売り」から「コト売り」への業態転換を図る。
企業理念「山岸製作所は家具と共に輝ける時間づくりを追い求めます。」

<山岸晋作氏 プロフィール>

東京の大学を卒業後、オハイオ州立大学にて経営学を学び、帰国後は外資系経営コンサルティング会社に就職。
一旦は家業を継がない選択をするも、母の思いを受け山岸製作所に戻ることを決意。
2010年に6代目社長に就任。社長自らが山岸製作所のDNAである「独自性」を体現すべくチャレンジし続ける姿が印象的。
金沢イノベーションハブ研究会主催者。
座右の銘はジョギング&ビール。

理念共感型の採用にこだわるわけ

— スキルや経験よりも、理念に共感できるかどうかを重視する「理念共感型」の採用に振り切っているそうですね。

山岸社長

重視し始めたのはこの数年です。
社長になって最初の10年は事業の黒字化に意識が向いていて、採用の判断軸は稼ぐスキルを持った人材かどうかでした。
事業の基盤が整い会社の未来の姿を考え新卒を採用しようとした時に、理念への共感やカルチャーフィットを判断軸にすべきだと感じました。

この数年の成長フェーズの中で、利益追及と理念共感のどちらを重視すべきかについてトレードオフを考えざるを得ない機会があったからです。

少子高齢化でどの企業も若者の採用に苦労しています。
新卒・中途採用に加え、アルムナイ(出戻り者の採用)もの受け入れもされているそうですね。

山本

山岸社長

はい、30歳くらいの社員から退職後1年程で戻りたいという申し出がありました。
正直すごく悩みましたが、本人が「やはり山岸製作所が良かった」と言ってくれたのが決断の後押しになりました。
実際に覚悟を持って戻ってきてくれたのでうまく行ったのではと思っています。
山岸製作所の良い部分も悪い部分も理解した上で戻りたいと思ってくれるなら受けれるべきと判断したのです。

素晴らしいご決断だと思います。
山岸社長がなぜこのような考え方ができるのか、是非もう少しお伺いしたいです。

山本

山岸社長

今年50歳になりますが、自分自身の活動時期の終わりが見えてきて、自分と同じような価値感で意思決定できる人が多い方が組織としても強いし、持続可能性も高いと考えました。

現在の二つの事業(オフィス向けとリビング向け)を5年以内に統合することを考えているのですが、それを実現するために「現有戦力+新卒」という図式で人材戦略を考えるようになりました。
新卒を一から育てることに不安もありますが、彼らとは自分ごととしてこの会社の未来を考えることを良く話しており、自分と会社の成長を一緒に考えられる人材になって欲しいと思っています。

「家具」が提供できる価値
~「モノ売り」から「コト売り」へ~

— 住むための家具と、働くための家具という事業の統合についてお聞かせください。

山岸社長

家具はそれを使う人たちの行動様式を変えることができます。
働く場所も住む場所も、家具を変えることで時間の質的価値を向上させることができるため、両方を一緒に提供する場所を創り、その価値を広く知ってもらうことを狙っています。

確かに統合すればオフィスのリノベーションで興味を持った人に住まいの家具の価値も知ってもらうことができますよね。

山本

山岸社長

まさにその通りです。
働き方改革が進むと在宅ワークのように「住む」場所と「働く」場所の境界もなくなっていくので、家具のもたらす価値をさらに提案できます。

当社は元々は家具を製造していた会社ですが、工場を閉鎖してもの作りをしなくなり、企業の存在価値そのものを考えるようになりました。
そこで「モノ売り」から「コト売り」への業態転換を考えました。
単にお客様が欲しいものを提供するだけではECには価格もスピードも敵いません。
ものを使ってどんなライフスタイルが送れるのかをお客様に提案する手法に切り替えようと考えました。
手始めとしてまずは自分たちの会社でオフィスリノベーションを行い、色々な制度を導入したのです。

— まず自社でトライして、そこで得た知見をお客様に価値提供するという今の事業モデルそのものですね。

山岸社長

実際に制度としてやってみると社員からいろいろ意見が出てきました。
そういう話を導入支援をする際にノウハウとしてお客様に伝えることができます。
色々な意見や問題が出てくるし、それに向き合って解決していくことがそのまま価値につながっています。

当社が大事にしている考えが二つあります。
一つは「上質さの提供」、もう一つは「自由と責任」です。

「上質さの提供」は前にお話したように家具を通してお客様のライフワークをより上質にするということです。

「自由と責任」については、もともと一人の営業がお客様に最初から最後まで一貫してアテンドするスタイルなので、自律的に働くことが定着しており、フルリモート&フルフレックスとは相性が良かったように感じます。
意識すべきことは効率性でなくて効果性、お客様のお役に立てているか?どうすればよりお役に立てるのかという思考です。

後継ぎとしての山岸晋作とワクワク

山岸社長は「ワクワク働く」ことを体現されており、まさにライフワーカー(使命感を持って仕事に取り組んでいる人)ではないかと感じていますが、ご自身ではどのようにお考えですか?

山本

山岸社長

私は自分の中には3つの立場があると考えています。

一つは山岸晋作という個人。
二つ目は山岸製作所の経営者。
三つ目は山岸家の長男という立場です。
迷った時はこの三つを一つに統合しようとしています。
統合し言語化されるミッションが自分が果たすべき使命ではないかと考えています。

それに加え、自身や会社の「変化」を通して、地域やステークホルダーの変化を促していくというのが自分のワクワクだと感じています。

金沢イノベーションハブ研究会(山岸社長が立ち上げた金沢周辺の中小企業経営者の勉強会)はまさにこれですよね!!

後継ぎの経営者の方は継承してきた価値を背負っているのでそれを守らないといけないという意識が強くなりがちですが、そうした立場の山岸社長がイノベーションを志向することは改めてすごいことだと思います。

経営者になるという決断には相当葛藤があったのではないでしょうか?

山本

山岸社長

確かに葛藤はありましたし、実は後を継ぐことを手放して外資系コンサルで働いていた時期があります。
ただ、あまりワクワクしませんでした。
悶々としていたときに山岸製作所に戻る話があり、結局自分は事業と経営をやりたいんだということに気付き、後を継ぐことでその立場を手に入れる決意をしました。
背負っているものを一旦手放していたからこそ覚悟が出来たのかもしれません。
そして、戻ってきた以上は徹底的にやろうと思いました。

「上質メッセンジャー」として山岸製作所が地元金沢に提供できる価値

— 最後に、これから仲間と金沢をどうしていきたいとお考えでしょうか?

山岸社長

当社が提供している価値は、金沢のような文化的土壌が豊かな土地でないと理解されません。
例えば金沢でファミレスがあまり広がらないのは、食文化が豊かだからと言われてます。
ものにこだわる、時間にこだわるという意識が高いからこそ、山岸製作所のビジネスが受け入れられたと思っています。

金沢は街自体が独自の価値を持っているから、そこで中小企業が個性や自社らしさをより強く出していくともっと面白い人が集まるのではないでしょうか。
正解探しではなく、それが良いと思っている人が集まってくるような・・・

そういう人たちと接点を作ることが理念共感型採用の成功にもつながりますよね。

山本

山岸社長

その通りです。
これからは組織に個が従うのではなく、組織が個に従うようになると思っています。
個がこの会社で働く意味性、理念や価値感の共感で会社との接点を作っていくのです。
それが企業の求心力を高めることにつながります。

私たちは「上質メッセンジャー」として、生活の豊かさを顧客と地域社会に提供していくべきだと考えています。
ビジネスを通してだけでなく、社員がイキイキ働く姿を通して伝える部分も大事だと思っており、それによって社員、企業、地域社会に対する三方良しが実現できると信じています。

コンサルタント紹介
(山岸製作所を担当)

山本 均

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